地域デザインにかける思い

地域が将来に求める姿は何か?


 

都市部やその他の地域が求める地域発展の在り方は、どのようなものなのでしょうか。

「日本創生会議」における「ストップ少子化・地方元気戦略」には、第一の基本目標として、「希望出生率」の実現。国民の希望がかなった場合の出生率(希望出生率)を実現する。結婚をして子供を産みたい人の希望を阻害する要因を取り除くことに取り組むとしています。2025年には「出生率=1.8を実現すること」を基本目標とすると。

それぞれの地域での活動において、成果目標に対する活動をいかに行うかという議論になります。もちろん、事業として成立させるためには、数値目標を掲げての活動は、効果検証を行う上での重要な要素ですが、すべての議論を定量的な目標に落とし込んだものにしていいのか、疑問を抱きます。地域づくりを経済、自然環境、社会でとらえるならば、公益性と事業収益性を、数値だけでは測ることができない側面から見ていくことが求められています。その理解の中で、地域のビジョンづくりが行われていくべきでしょう。多様な立場の方々が、地域づくりに参画します。活動の指針があることによって、それぞれが進歩する熱意の喚起になり、活力になります。

地域が共有できる目標策定


 

これまでの目標策定は、行政がトップダウン型で策定されてきました。

しかし、多様な価値観、ニーズを抱えているステークホルダーを巻き込んでいくには、これまでのやり方では対応しきれなくなってまいりました。

地方自治体、民間企業、NPO法人、地域住民、その他のコミュニティがこれまでの枠組みを取りはらい、小さな組織単位で結びついていきながら合意形成をしていくことが必要ではないかと考えています。

成熟した社会において、一方通行のシステムでは歪みが必ずでてきます。

インバウンドに対する取り組み


 

地域づくりの議論の中に、インバウンドに対する取り組みの是非があります。外国人観光客が訪れることによって、地域の景観が損なわれないか。ゴミのポイ捨て、マナーの悪さによる地域住民への悪影響はないか。もともと、リピーターで訪れていたお客様が遠のくなどのリスクがあるのではないか、と多くの心配がつきまといます。

一方、経済性の側面を見ていくのであれば、急激に人口減少する日本人をターゲットにするよりも、絶対的に外国人観光客をターゲットにしたほうが、理に適っています。

私は、地域づくりにおいて地域外の方々との接点は、非常に大切だと考えています。地域のアイデンティティの継承において、異質な文化や人種と触れることは、大きな意味を持ちます。

海外の方々と触れ合うことによって、異文化に触れる・学べる面白さを体感していく環境づくりをしていきたいと思っています。

カニバリゼーションを恐れず近隣地域との連携強化


 

カニバリゼーション(cannibalization)とは、自社商品どうしがお互いの商品を「共に浸食しあってしまう」現象のことをいいます。

地域の強み活かした戦略を!という合言葉によりすぎてしまうことによって、それぞれの地域でお客様を奪い合うことに恐れすぎてしまっているように思います。

それぞれの地域の連携という概念が損なわれしまっています。これも行政主導に頼りすぎてしまってきた弊害でしょうか。

一つの地域において、勝ち組・負け組を作り出すのではなく、色々な地域を訪れやすくなる、回遊性を高めた仕組みづくりを行うことよって、東京~大阪を結ぶ「ゴールデンルート」に勝る魅力あるコンテンツを作り上げていくことが、地域づくりにおいてのあるべき姿と考えます。

今や外国人観光客は「ゴールデンルート」以外の地域に訪れたい方々も増えていますし、もちろん、日本人もまだ見たことのない日本の自然・文化・人に巡り合いたい欲求は間違いなく存在します。

企業の公共性


 

自然環境と人の生活の維持は、日本社会に共通に必要な公益性の実現であり、このような施策は政府の仕事でした。

もちろん、企業としても人の生活と自然環境の維持への配慮が、事業活動を行う上での大前提になっていることは言及するまでもありません。

ところが、し烈なグローバル社会においての経済成長は、大量生産、大量消費、大量廃棄のシステムと長時間・過密労働に支えられ、環境破壊を起こし、人の生活を犠牲にした働き方を強いります。

持続的発展を叫ばれている社会において、企業は公益性を慈善活動してとらえるのではなく、事業活動の一環としてとらえて活動できることが、企業自体の存続にかかわってきます。

人材不足が叫ばれ、特に若者の労働力不足は、深刻です。ある中小企業の管理職者に企業のCSRについて質問をしたことがあります。「御社でのCSRに対する考え、取り組みなどはいかがですか?」と。その応えは「そんなこと考えている余裕も暇もないよ。そういうことを考えられるのは大手だけでしょ」と。

中小企業は、採用難と嘆きます。

日本の社会に貢献したいと熱意を持って学習をしている感度高い若者が、「この会社には人生をかけて取り組みたい仕事があるのかどうか」注視しています。

採用難を、企業規模の要因にする前に、自社の取組みをよく見直してみることから始めてみてはどうでしょうか。企業が果たす責任を全うできているかどうか。

最後に


 

日本は、世界に誇れる「自然・文化・人・経済」があります。自然は、四季があり、季節ごとに見せてくれる環境の変化は心を和ませ、踊らせてくれます。

伝統的な食習慣は、健康的であることや、何より美味しいと世界でも注目を浴び続けています。ヨーロッパ、欧米では、テロや宗教対立で日々危険の中で暮らすことを余儀なくされている地域がありますが、そのような地域と比較すると、夜の街を出歩いても非常に安心して暮らすことができます。

地域の「誇り・自信」を次の世代に受け継ぐ、繋ぐ。

急激な変化は、破綻します。少しずつの変化でいいので、確実な一歩を踏み出す活動を行っていきます。